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Bobby Brown
更新 2025-06-30
【QUANTM 電動ダイヤフラムポンプ × 段ボール用接着剤搬送】二酸化炭素90%削減、エネルギー80%節約
公開日:2025年6月30日 最終更新日:2025年6月30日

背景

段ボールは、世界のEC(電子商取引)や物流業界において、依然として最も重要かつ持続可能な包装資材のひとつです。最新の2024年版Precedence Researchの調査によると、2024年の世界の段ボール包装市場規模は約3,116億米ドルと推定されています。さらに、2025年から2034年にかけて年平均成長率(CAGR)4.4%で拡大すると予測されています。この安定した市場成長は、業界全体で省エネ・脱炭素型の生産設備への需要が高まっていることを示しています。

段ボール用接着剤搬送システムの仕組みとは?

段ボール製造ラインでは、でんぷん系接着剤がタンクから配管を通じて接着ローラーまで絶えず循環する必要があります。この工程において、短時間で接着剤の粘度や温度を安定させることが極めて重要です。ポンプは接着剤を加圧搬送するだけでなく、低温時のデンプンの凍結、停止時の乾燥、気泡混入といった問題を防ぐ役割も果たします。これらを適切に管理できなければ、接着不良や生産速度の低下といったトラブルにつながります。


📌 段ボール用接着剤循環システム:脱炭素化・凍結防止・メンテナンススペース最適化のポイント

【実際の導入事例】韓国大手段ボールメーカーのケーススタディ
現状と課題

この工場の製造ラインは24時間365日稼働しており、高粘度のでんぷん系接着剤を常時循環させ、段ボールの芯材接着用ローラーに供給しています。従来は、2基の2インチ鋳鉄製AROエア駆動ダイヤフラムポンプが、6 barの圧縮空気システムを用いて稼働していました。

しかし、冬季になるとエアバルブの排気による過剰な冷却が原因で凍結が発生し、ポンプの速度が突然低下してライン停止につながる問題が頻発していました。さらに、圧縮空気システムは大量のエネルギーを消費するうえ、メンテナンス負荷も大きく、騒音レベルは80dB(A)を超え、作業者の快適性や安全性にも悪影響を及ぼしていました。

これらの課題を解決するため、生産管理責任者は、省スペース化と効率向上を目的に、2基のポンプを1基の高効率電動ポンプに置き換える方針を決定しました。

LTCAM配管図または設置イメージ

改善目標

  • 1. エネルギー消費とCO2排出量を80%以上削減する
  • 2. バルブ凍結と予期せぬライン停止を防止する
  • 3. 設置面積を増やさずに2基構成を1基に置き換える
  • 4. 稼働時の騒音を70dB(A)未満に抑える
  • 5. 新ポンプにも自吸・空運転対応機能を確保する

💡 騒音・凍結・コンプレッサーコストを一挙解決 ─ QUANTM電動ダイヤフラムポンプが5つの課題を同時に解消

段ボール用接着剤循環ステーションでは、従来のエア駆動ダイヤフラムポンプ2基を、GRACO社のQUANTM TE120電動ダイヤフラムポンプ1基に置き換えました。ブラシレスモーター採用により、6 barのエアコンプレッサーが不要となり、騒音は80dB(A)超から65dB(A)へ大幅に低減。さらに、エネルギー消費とメンテナンスコストを80%削減しました。コンパクトな設計で既存フレームにそのまま収まり、設置面積を増やさず必要な流量を確保します。ダイヤフラム構造により、最大6mの自吸性能と空運転対応を実現し、冬季トラブルも防止。また、Modbus RTUやアナログI/Oにも対応し、リアルタイムのデータ送信や遠隔監視も可能です。


🔧 電動ダイヤフラムポンプはどのように顧客ニーズを満たすのか

目標 QUANTMによる解決策
🎯 エネルギー消費とCO2排出量の削減 ✔ ブラシレスモーターによるダイレクト駆動で、6 barのエアコンプレッサーを完全に不要化。このステーション単体で、年間のエネルギーおよびメンテナンスコストを約80%削減し、CO2排出量も80%以上低減。
🎯 バルブ凍結と予期せぬ停止の防止 ✔ 電動駆動のため排気冷却が発生せず、凍結を防止。ダイヤフラム構造により、冬季の気温5℃下でも連続運転中の凍結ゼロを実現し、最大30分間の空運転も安全に対応。
🎯 既存配管レイアウトを維持し、設置面積を増やさない ✔ コンパクトなポンプ本体(250 x 310 mm)を採用し、QUANTM TE120 1基で従来のエア駆動ポンプ2基を置き換え。設置面積を50%削減し、メンテナンス性や物流動線も改善。
🎯 騒音レベルを70dB(A)以下に低減 ✔ 排気による騒音がなく、実測で騒音レベルは80dB(A)超から65dB(A)へ大幅低減。耳栓などの保護具が不要になり、現場でのコミュニケーションも円滑化。
🎯 自吸・空運転対応により、安全な停止やCIP洗浄を確保 ✔ 最大6mの自吸性能と30分間の安全な空運転が可能。停止時やCIP(定置洗浄)時の事前注入が不要で、接着剤詰まりや機器損傷を防止。

📊 実証済みの効果:現場テストで90%のCO2排出削減と80%の省エネを確認

LTCAM 現場管路圖或示意圖
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