公開日:2025-07-07 最終更新日:2025-07-07
背景
HDIやサブストレートの需要が急増しており、ノズルの精度はPCBの歩留まりを左右する重要な要素となっています。Precedence Researchの2024年市場レポートによると、世界のPCB市場は918億米ドルに達しており、2033年には1,525億米ドルに拡大すると予測されています(年平均成長率約5.8%)。HDIやサブストレート技術の微細化により、線幅とスペース(L/S)は40/40 μmから25/25 μmへ急速に縮小し、15/15 μmの限界に近づいています。プロセスウィンドウが極端に狭まる中、DES工程におけるスプレーの均一性が、エッチング特性と微細配線の歩留まりを直接左右します。スプレー分布が不均一になったり液溜まりが発生した場合、低流量でも高い均一性を維持し、メンテナンス時間を削減し、薬液の利用効率を高めることが生産ラインの最優先課題となっています。
PCBのDESスプレーシステムとは?
DES(現像・エッチング・剥離)装置は、高圧ノズルを使用して、現像液、エッチング液、剥離液を銅表面に均一にスプレーします。目的は、フォトレジストをできるだけ短時間で除去し、エッチング速度を安定させ、アンダーカットを制御して、一定のL/S(線幅とスペース)を確保することです。スプレーが不均一だったり、死角があると液が溜まり、「プーリング」現象が発生し、ΔTh(銅厚ばらつき)が増加してエッチングの均一性が低下します。
📌 PCB DESシステム:スプレーの均一性を向上し、液だまりを防ぎ、エッチング品質を安定させる方法とは?
現状
この生産ラインは、長年にわたり高密度・微細配線の多層PCBを製造しており、エッチングの均一性が非常に重要です。従来は自社製のPVDFノズルを使用して基本的な水流を確保していましたが、回路設計の微細化に伴い、次第に課題が顕在化しました。生産責任者は、ノズル構造とスプレー性能の向上により、水流の均一性を高め、不良を削減し、製品の安定性と保守の効率化を図りたいと考えています。
改善目標
- 1. 水流の均一性を大幅に改善し、液だまりを解消
- 2. エッチング分布を最適化し、L/S安定性を向上
- 3. 歩留まり90%超を達成し、品質ばらつきを抑制
- 4. クイックリリース設計で洗浄・保守時間を短縮
💡 液だまり・エッチング不安定・歩留まりの壁を解消 ― LORRICのクイックリリースノズルで5つの課題を一挙に解決
PCB DES装置にLORRICのQFMFクイックリリースノズルを導入することで、液だまりやエッチングのムラを解消しました。多重スロット構造とカーブ形状の吐出口により、均一なスプレーを実現し、エッチングの安定性が向上。微細配線の歩留まりは90%を超えました。
クイックリリース設計により保守作業の時間が短縮され、ノズル角度と流量のカスタマイズにより分散性能とプロセス安定性も最適化されています。
🔧 LORRICのエンジニアリングノズルは、どのように顧客ニーズに応えているのか?
目標 |
QFMFソリューション |
🎯 スプレーの均一性向上と液だまりの解消 |
✔ QFMFノズルは、多スロットコア構造により複数の回転液流を生成。これらはカーブ状の出口を通って遠心力で噴射され、安定かつ均一な円形スプレーを形成し、液だまりを防ぎます。 |
🎯 エッチング安定性の向上 |
✔ 優れた乱流制御により、均一な流量分布と噴霧粒子サイズを実現。化学薬品の分布が均等になり、過剰エッチングや不足エッチングを抑制して全体の安定性を高めます。 |
🎯 微細配線の歩留まり90%以上を達成 |
✔ 流量許容誤差±5%、スプレー角度も±5°以内で制御。均一な噴霧範囲により、微細配線の歩留まりが大幅に向上します。 |
🎯 クイックリリース設計で保守時間を短縮 |
✔ 精密ロック機構付きの2ピース構造により、工具不要で簡単に取り付け・取り外し可能。液漏れを防ぎ、洗浄・メンテナンスの時間を大幅に削減します。 |