流量計は、配管内の水、化学薬品、空気、ガスなどの流体の流量を測定する装置です。設置後に異常値や不安定な値が出る場合、それは必ずしも機器の故障が原因ではなく、設置不良が原因であることがよくあります。
流量計にはさまざまな種類があり、それぞれの測定原理に応じて設置要件が異なります。本記事では、一般的な設置のベストプラクティスと主要タイプ別の推奨事項を紹介します。
正しく流量計を設置する最も簡単な方法は、メーカーの取扱説明書に従うことです。それに加えて、多くの流量計には共通する一般的な設置原則があり、これを守ることで測定誤差を最小限に抑えることができます。
1 ) 前方10D以上、後方5D以上を確保
安定かつ正確な測定を行うためには、流量計の前後に十分な長さの直管部分を確保することが推奨されます。一般的に、上流側は配管内径の10倍(10D)、下流側は5倍(5D)以上が目安です。
なぜ重要なのか?
研究によると、エルボなどの直後に設置すると、乱流や渦流が発生し測定精度が低下します。十分な直管部分を設けることで流れが安定し、測定精度が向上します。
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例: 配管内径(ID)が4cmの場合
・上流側:10 × 4cm = 40cm
・下流側:5 × 4cm = 20cm
内径が不明な場合、外径(OD)と壁厚を用いて計算できます。
式: ID = OD − 2 × 壁厚
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2 ) バルブ・ポンプ直下流への設置を避ける
ポンプ、制御バルブ、縮小管、拡張管などは流れを乱す要素です。測定精度を確保するため、流量計はできるだけバルブの上流側に設置することが推奨されます。
もしバルブやポンプの直下流に設置せざるを得ない場合は、通常の3倍以上(30D程度)の直管長を上流側に確保してください。

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3 ) 上向き流れまたは配管の低位置で満管状態の箇所に設置
流量計は常に配管内が満管状態になる位置に設置する必要があります。最高点では空気溜まりが発生しやすく、誤測定の原因となります。
理想的な設置場所は、U字配管の最下部や上向きの垂直配管です。

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4 ) 振動が多い場所を避け、屋外では保護カバーを使用
高振動環境では、流量計の測定精度が低下することがあります。電磁流量計の場合、強磁場(大型モーター、インバータ等)の近くに設置すると、ゼロ点ドリフトや不安定な信号が発生します。
屋外設置時は直射日光、高温、多雨、積雪から守るため、保護カバーやシェルターの使用を推奨します。
Q1: 設置後、異常値が表示されます。何を確認すべきですか?
A: 流量計の流向矢印が実際の流向と一致しているか、配管が満管状態かを確認してください。メーカーの取扱説明書に従って設置してください。
Q2: 測定が正確でない理由は?
A: 不適切な設置位置、気泡や異物、流速の不安定、定期的な校正不足、センサーの劣化が原因です。適切なモデル選択と定期点検が重要です。
Q3: 測定値の変動が大きい場合の対策は?
A: 上流側直管不足、ポンプやバルブ、エルボの直後設置が原因です。十分な直管長を確保し、必要に応じてフローコンディショナーを設置してください。
Q4: 水やガスが漏れている場合は?
A: 挿入式はOリング(オーシール)のサイズと状態を確認し、ねじ式はPTFEテープを巻き適切なトルクで締め付けてください。設置後は耐圧試験を行い、必要に応じてシール部品を交換してください。