公開日: 2025年8月4日 最終更新日: 2025年8月9日
背景
MarketsandMarkets の報告によると、世界の高純度酸市場は安定的な成長を続けています。特に高純度硫酸市場は、2025年の5億米ドルから2030年には6億7千万米ドルに成長し、年間平均成長率(CAGR)は6.1%に達すると予測されています。再生可能エネルギー、電子化学、貴金属リサイクルなど、高腐食性酸を精密に取り扱う必要のある産業の需要が増加しており、製造プロセスにおける流量安定性、耐腐食性、そして自動化制御能力への要求はますます厳しくなっています。
特に混酸定量注入の用途では、従来の手動バルブ制御では注入精度やリアルタイム応答の基準を満たすことが難しく、原材料の無駄や混合比の誤差、工程リスクの増大を招く可能性があります。本記事では、KOSCN の圧力調整バルブ、精密微調整バルブ、空気作動式開閉バルブをどのように「貴金属リサイクル用混酸注入システム」に統合し、耐腐食性、自動化、そして高精度な流量制御を実現する流体搬送ソリューションを構築したかをご紹介します。
混酸注入システムとは?
混酸定量添加システム(Mixed Acid Dosing System)**とは、硝酸、硫酸、フッ酸などの複数の酸を所定の割合で混合し、製造工程に定量的に供給するための制御システムです。
過剰な添加や人的ミスを防ぐため、近年の混酸添加システムは自動化、モジュール化、遠隔監視へと進化しています。
混酸は高い腐食性と反応性を持つため、システム内のすべての部品は優れた耐酸性、密閉性、安定した操作性能が求められます。
このシステムの主な目的は、製造工程の安全性と安定性を高め、作業リスクと保守コストを低減することです。
📌 貴金属リサイクル現場の混酸注入技術:精密制御で反応安定化と腐食防止
現状
貴金属リサイクル工程において、顧客は硝酸と硫酸を所定の割合で混合し、その混酸を反応槽に注入して不純物を溶解し、金メッキなど回収可能な金属を抽出する必要があります。従来のシステムは手動バルブ、圧力計、液面計による制御に依存しており、このため操作誤差が大きく、反応時間の遅延や混酸注入の不安定化による過剰注入が頻発し、原材料コストや工程リスクが増加していました。顧客は耐腐食性を備え、精密な圧力調整が可能で、PLC制御システムと完全に統合できる自動搬送ソリューションを導入し、全体的な運用効率と安全性を向上させたいと考えました。
改善目標
- 1. 混酸圧力変動による流量変化を防ぐための入口圧力の安定化
- 2. PLC完全統合による混酸注入タイミングと注入量の自動制御
- 3. バルブの耐腐食性向上による摩耗低減と設備寿命延長
- 4. 柔軟な設置と効率的な将来保守を可能にするモジュール設計の導入
💡 手動操作の誤差と腐食リスクを解消 – KOSCNバルブシステムで精密かつ安定した自動酸注入制御を実現
従来の手動加酸システムでは流量の不安定や反応の遅れ、腐食の問題がありました。バルブ・流量計・PLC を導入することで自動化を実現しました。
お客様は図に示された自動酸注入システムを導入しました。
まず、KOSCN PV317 圧力調整バルブをポンプの下流に設置し、制御ユニットに入る前に酸液の圧力を安定させ、圧力変動による流量の不安定化を防ぎます。
次に、酸液は流量計を通過してリアルタイムで流量を監視し、そのデータをPLCに送信して正確な加薬制御に活用します。
作業者は DV315 精密微調整バルブ を使って、たとえば 16 L/min などの目標流量を事前に手動設定することで、酸液を一定の流量で安定供給できます。
設定された流量に達したことを流量計が検知すると、PLC 制御ユニットが KOSCN DV310 空気圧オンオフバルブ に信号を送り、流体を迅速に遮断して、1回の自動定量酸注入サイクルが完了します。
システム全体は高耐食性PVDF素材で構成されており、コンパクトかつモジュール式の設計により、流量の安定性と自動操作の安全性を確保し、製造ライン全体の運転をより精密かつ安心できるものにします。
🔧 KOSCNバルブはどのようにして顧客ニーズを満たすのか?
目標 |
KOSCNのソリューション |
🎯 混酸圧力の変動による流量への影響を防ぐため、入口圧力を安定化 |
✔ 自動圧力安定機能を備えたPV317圧力調整バルブを搭載し、条件が変動しても安定した出口圧力を維持します。これにより、酸注入の誤差や流量の変動を効果的に低減します。 |
🎯 酸注入の開始・停止タイミングを制御し、PLCと連動した自動運転を実現 |
✔ 導入後、システムはポンプで混酸を送液し、流量計でリアルタイム監視を行います。流量信号はPLCに送られ、バルブの開閉を制御します。目標流量に達するとPLCが即座にKOSCN DV310空気作動式開閉バルブを閉じる信号を送り、完全な自動閉ループ制御を実現します。これにより、注入効率、安定性、安全性が大幅に向上します。 |
🎯 バルブの耐腐食性を向上させ、摩耗を低減し設備寿命を延長 |
✔ 全ての部品に優れた耐酸性を持つPVDF素材を採用しており、硝酸や硫酸などの混酸に長時間さらされても安定運転が可能で、メンテナンス頻度を効果的に削減します。 |
🎯 モジュール型システム設計を採用し、設置の柔軟性と保守効率を向上 |
✔ コンパクトな部品設計とモジュール構造により、既存システムへの迅速な統合が可能で、設置・保守・将来のアップグレードが容易になります。 |